HRTech

HR関連のStartupに詳しくなりたいと思って勉強中です。

2015年5つのITトレンドと関連するHRスタートアップ(後半)

 前回2つ目までを紹介できたので今回は引き続き残りの3つのトレンドと注目のHRスタートアップを紹介していきたいと思います。

 

その3:「Platform Revolution and Evolution

 これまでも様々なプラットフォームをベースとしたエコシステムが新たな市場を作り出して富を生んできました。特にITにおいてはクラウドやモバイルといったプラットフォームの急速な発展がここ最近では大きな影響を与えています。そしてアクセンチュア自身まだまだプラットフォームベースのサービスは伸びると予想して今年のトレンドとしています。

 調査によると74%の企業がビジネスパートナーとデータを共有するためにプラットフォームを使用するか、現在使用しようと試みているそうです。

 

この領域での注目HRスタートアップ

 

Elance-oDeskhttps://www.elance-odesk.com/

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 このサービスはシリコンバレーにあるフリーランサーと企業をマッチングさせるプラットフォームで世界的に見ても大きなものとなっています。これまでにこのサービスを通じて200万件以上の仕事と800万人以上のフリーランサー、2013年だけで$750Mの富を生んでいると発表しています。クライアントも有名企業だらけでマイクロソフト、ディズニー、Pinterestなどがこのサービスを利用しています。

 

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 元々は1998年に設立され、KPCBなどから総額$94.8Mを調達したElanceという老舗ベンチャーと2005年に設立され、SV Angelなどから総額$44Mを調達したoDeckという別々の会社でした。しかしこの2社が昨年の2014年1月に合併、それによって世界的に巨大なプラットフォームになりました。現在のCEOはElanceのCEOを務めていたFabio Rosatiが継続してなっています。会社は合併しましたがサービス自体は統合することなく別々に運営されています。

 

Freelancerhttp://www.freelancer.com/

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 このサービスはその名の通りフリーランサーを探せるプラットフォームです。しかし先程のサービスと違って案件が町のレストランのWebサイト作りなど比較的小さなものが中心となっています。仕組みとしてはユーザーがフリーランサーに頼みたい仕事を投稿してそれを見たフリーランサーが値段など条件を提示、複数の条件の中からユーザーは一番納得するフリーランサーにお願いするというものになっています。サービス自体も日本語に対応しているみたいですね。

 会社はオーストラリアのシドニーを拠点としていて2009年に設立されました。VCからの資金調達情報はありませんが設立から2012年にかけて7社を買収、2013年11月にIPOをしたのち更に昨年2社の買収を行っています。

 

その4:「Intelligent Enterprise

 ソフトウェアは進化し続け、人工知能といった学習・適応するものも出るまでに発展しました。そして今日こういった人工知能ビッグデータの流入などが人間の選択において非常に手助けとなり活躍しています。日本でも先日メタップスが43億円の大型資金調達を行うなど人工知能分野に注目が集まっていることから今年のトレンドに入っていてもおかしくないですね。これからのアプリケーションやツールの80%はより人間に近いものになってくるとアクセンチュアは言っています。

 

この領域での注目HRスタートアップ

 

Equifaxhttp://www.equifax.com/home/en_us

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 この会社はビッグデータを使って様々なクライアントに対しての意思決定をサポートしています。その中でもHR領域として行っているサービスが雇用者の所得における意思決定をサポートするサービスです。全国4300以上におよぶ採用担当者からの雇用と所得のデータベースを用いて、更には賞与・残業なども考慮した上で所得の計算を行ってくれるようです。

 調べてみるとスタートアップとかいいながら1987年にIPOをしている老舗企業でしたが2006年になってから積極的にM&Aをしており現在までに9社M&Aしています。VCからの資金調達情報はなく、本社はアメリカのアトランタにあります。

 

Visierhttp://www.visier.com/

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 このサービスはいつ・どこに・どのくらいの従業員を分配すればいいかなど労働力におけるプランニングを提供してくれるサービスです。これにより無駄のない効率的な労働分配ができるようになります。この企業の強みとしては前回1つ目のトレンドにもあったパーソナライズも組み合わせている点です。会社全体や部門ごとの成績といったマクロ的な視点だけではなく、従業員ひとりひとりの能力等のデータもしっかり取りミクロ的な視点も踏まえて分配してくれます。しかもシフトに変更があった場合でも自動的に修正してくれるようになっているから驚きです。米Yahooや日産などがこのサービスを利用しているようです。

 会社はカナダのバンクーバーを拠点にしていて2010年に設立。2014年10月$25.5MのシリーズCでの調達を含む総額$46.5Mをこれまでに調達しています。CEOのJohn SchwarzはIBMの出身でSAPのCEO経験もある超強者です。

 

その5:「Workforce Reimagined

 アクセンチュアが今年のITトレンドとして最後にあげたのは、この直訳すると「労働力の再考」という言葉でした。どういうことが言いたいかというと人間とテクノロジーの付き合い方をもう一度よく考えろということだそうです。両者が助けあいながらうまく付き合いビジネスを展開するような企業が今年は伸びて、そういった人間とテクノロジーの超融合みたいなサービスが沢山出てくるってことが言いたいんだと思います。

 

この領域での注目HRスタートアップ

Wearable Intelligencehttp://wearableintelligence.com/

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 このサービスは現場の第一線で活躍する人たちに向けたアプリで、Google Glassと組み合わせて使うそうです。Google Glassによる労働パフォーマンスの向上と、それを支える自社で開発したアプリによって安全性や伝達などがサポートされます。元々は石油・ガス業界で働く人向けに作られましたが、最近では医者などヘルスケア領域で働く人向けのアプリも開発されたようです。

 なかなか文章では伝えづらいですが、動画をみてもらうとよく分かると思います。情報が迅速に伝達され処置やその後の経過管理がとてもスムーズです。本当にインターネットが社会に役立っているんだなと実感できますね。

 会社は2013年設立でシリコンバレーを拠点としています。KPCBなどから2014年8月に$7.9Mの資金調達も行っています。PresidentのRyan Juneeは元YouTubeのプロダクトマネージャーだそうです。


Wearable Intelligence in Healthcare - YouTube

 

まとめ

 ここまで様々な分野のHRスタートアップをみてきましたが、やっぱり「あー、言われてみればこれもHRの領域に入るのかー。」というものが多かったですね。なかなかHR領域も奥が深いなと感じると同時にテクノロジーやインターネットの力でもっともっと良くなるし、良くしていってほしいと思いました。